Dearにっぽん「町医者になる〜滋賀・ある診療所の日々〜」

「患者に寄り添える医師になりたい」。地域医療を担う“町医者”を目指し若き医師が研修を積んでいる。住民が人生を全うするために必要な医療とは。模索の日々を追った。

田園風景が広がる滋賀県竜王町の診療所で、全国から集った医師たちが研修を受ける。住民のあらゆる疾患に対応するため、内科や外科、小児科など専門分野をこえて診療する「総合診療医」になるためだ。去年春から学ぶ瀬沼創太さん(27)はある経験から診療所の門をたたいた。赤ちゃんの予防接種、複数疾患を抱える高齢者の診療、そして、患者の最期にどう向き合うか。“町医者”を目指し、戸惑いながら学び続ける若き医師の記録。

 

今際の際の男性の、「神はいないのか」、「なぜこんなに苦しまないといけないのか」という問いかけが、主人公の町医者の葛藤のきっかけを作る。

その男性が亡くなった後のインタで何か答えようとするも、「答えになってないですね」で締める。大雪の中での町医者のそんな一言も、頭の整理がつかず苦悩に囚われていることを物語る。

その後の勉強会での反省、夜の車の中での吐露と、場所が移るにつれて主人公の微妙な心変化が見られる。

一方で葛藤がいかに解消されたのだろうか。老老介護の現場で、娘の側が不安を吐露し、母親と娘の二人に寄り添う主人公。突然静かに雪解けのような音楽が流れる。そこに何か心情の変化があったということなのかもしれないが、映像とは合っていない感じがした。

後任の医師への引き継ぎのシーンは、本人の学びをまとめるシーンとなる。エンディングは修了式で綺麗に丸がつく。